ニュースリリース:旧日立ディスプレイズ

2007年4月23日

フルハイビジョンテレビ用IPS液晶モジュールを開発・量産

株式会社IPSアルファテクノロジ(取締役社長:米内史明/以下、IPSアルファ)は、液晶テレビの高画質化に対応するため、このたび、37型フルハイビジョン精細度(表示画素数:1920(水平)×1080(垂直))のテレビ用IPS液晶モジュール(IPSαパネル)を開発し、2007年4月より量産出荷を開始しました。

現在、デジタル放送の本格普及に加え、2008年の北京オリンピックなどの世界的イベントを控え、薄型デジタルテレビの需要が急速に拡大しています。このような中、「斜めから見ても美しい」IPSαパネルへのニーズが高まり、32型、26型に続いて37型をラインナップとして2006年9月より生産を開始しました。
更に、大型テレビの需要が増加するとともに、フルハイビジョン解像度(フルHD)が重要となっており、今回、IPSアルファで初めての37型フルHDテレビ用IPSαパネルを開発しました。

今回、開発したフルHDテレビ用IPSαパネルは、従来のハイビジョンパネル(表示画素数:1366(水平)×768(垂直))に対して、精細度を2倍化するとともに、フルハイビジョンとして120Hzの動画性能に対応するため、液晶コントローラ及びパネル特性の新技術を搭載しております。また、IPSαパネルの高透過率設計により、高精細化に伴うバックライト電力を従来のハイビジョンパネルとほぼ同等レベルに抑え、低消費電力を実現しました。

特徴

[斜めから見ても美しい]
IPS液晶は、広い視野角(上下左右178度)を持ち、見る方向での色調の変化が少なく、どこから見ても自然な画像を表示できる特長があります。

[動画対応技術]
フルハイジョンモジュールの120Hz対応として業界初(*1)の2チャンネル低電圧差動伝送方式機能内蔵の液晶コントローラを開発いたしました。これにより、通常の60Hzの映像を2倍の120Hzに変換する「倍速120Hz」スーパインパルス表示技術が可能となっております。液晶パネルとしては、高速処理対応として、配線抵抗を従来比40%改善、液晶応答速度を従来比15%改善しております。これらの高速処理対応技術の開発により、セット側の映像入力に応じて120Hz映像コマ補間やスーパインパルス表示が可能となり、動画応答速度(MPRT(*2)で最高8ms台の性能を実現いたしました。
(*1) 当社調べ
(*2) mPRT:Moving Picture Response Time(動画応答速度)

本開発品のおもな仕様

表示サイズ 94cm(37型) 819.4mm × 460.9mm
表示画素数 1920(水平) × 1080(垂直)
画素ピッチ 0.42675(水平)mm × 0.42675(垂直)mm
表示色数 最大16,777,216色
輝度 500 cd/m2
視野角 上下/左右 178°
バックライト消費電力 130W
重量 9.5kg

IPS液晶およびIPSαパネルについて

IPS液晶は、In-Plane-Switching(横電界)方式TFT液晶の略称で、「斜めから見ても美しい」高画質の液晶モードです。IPS方式は、原理的に、広視野角であり、見る方向での色調の変化が少なく、どこから見ても自然な画像を表示できる特長があります。とくに、テレビ用に開発したIPS-Pro技術(*3)は初期のIPS方式と比較して、透過率を50%、コントラスト比を3倍以上向上させ、高画質を実現しました。IPSアルファでは、この技術を用いて生産したパネルを「IPSαパネル」と称し、世界中に展開しています。
(*3)In-Plane Switching Provectus。 Provectusとは、ラテン語で「革新」を意味します。

スーパインパルス駆動について

動画ぼやけは、液晶パネルのようなホールド型発光の場合に、人間が生理的に感じる網膜残像に起因するものです。この問題は、NHK他で研究され、CRTのように蛍光体が瞬間的に次々と光っていくようなインパルス型発光にすることで、解決できることが示唆されていました。日立では、インパルス発光を実現すべく研究し、2001年春のSID(Society for Information Display)にて、スーパインパルス駆動(オーバドライブ+黒挿入)を発表しました。その後、2002年秋の世界初の製品化(20型)に加え、2003年秋には32型IPS液晶を市場投入。さらに、2005年には、黒挿入に同期させたバックライト点滅を実用化しました。
さらに、2006年にはフレキシブルBI技術(*4)を開発・適用しました。
フレキシブルBI技術は、ホールド駆動型60Hzにおける1面のデータを2面に分け、1面には原画像より明るい画像、もう一面には黒データを含む暗い画像を割り当て、2面の時間積分で同一輝度となるような、120Hzのインパルス駆動で60Hzのホールド駆動に対して動画ぼやけを40%相当低減できます。これにより動画応答速度の指標であるMPRTを大きく改善できます。
(*4) BI : Black Data Insertion(黒データ挿入)

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