• 透明インターフェイス

透明インターフェイス 透明インターフェイス

ガラスのような透明感を実現した透明ディスプレイ

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新しい使い方や顧客体験の提供を目指して

液晶ディスプレイに必要不可欠であった偏光フィルム、カラーフィルター、バックライトを取り除いた新しい透明ディスプレイの表示原理を世界に先駆けて提案・実証しました。単に透過率が向上したディスプレイとはとらえず、表示できるガラスができたと位置付け新しい価値・顧客体験が提供できると考えています。この技術は、透明インターフェイスRælclear(レルクリア)に活用されています。

1. 唯一無二のテクノロジー

新たに開発した透明ディスプレイは、以下の3つの技術要素からなり、これらを組み合わせることで透明感が高くカラー表示可能な液晶ディスプレイを実現しました。

  • 液晶パネルガラスの端部から光を導入

  • 新しく開発した透明と散乱状態を切り替える液晶

  • 赤緑青の3色を高速で切替

簡単な表示原理図を図1に示します。パネルの表面ではなくガラス端部から光をパネル内部に導くことで、光ファイバーで光が遠くまで届くように、ガラスパネル内部を遠くまで光が伝わっていきます(この光はガラスの外部からは見えない)。そして、電圧印加によって1画素レベルで透明と散乱状態をコントロールすることで、パネル内部の光を外に取り出し表示として見ることができます。この光はガラスの両側に等しく取り出されます。パネルに導く光の色を高速で切り替えることで、人は1枚のカラー映像と認識します。言ってみれば、パラパラ漫画の高速版です。このようにカラー液晶ディスプレイに必須だった、偏光フィルム、カラーフィルター、バックライトを用いない新たな表示原理を実証しました。これら従来の構成部材は光を吸収する性質を持っているため、透過率は10%以下と非常に低い状況でしたが、これらを取り除くことで非常に高い透過率、透明感を実現しました。

図1. 表示の仕組み
図1. 表示の仕組み

2. 新たに開発した透明ディスプレイの特長

新たに開発した透明ディスプレイは、以下の3つの技術要素からなり、これらを組み合わせることで透明感が高くカラー表示可能な液晶ディスプレイを実現しました。

  • (1)高い透明感
    電源OFF時の透過率*は84%と一般的な板ガラスの透過率92%に近い値を示します。また、ディスプレイの配線を見えにくくし、さらに透過する光が歪んでしまうことを防ぐ工夫を織り込むなど、できるだけガラス1枚の佇まいに近づけました。

  • (2)両側から見える
    これまでのディスプレイは片側から見ることしかできませんでした。新たに開発した透明ディスプレイは光の散乱現象を利用しているため、ディスプレイを挟んだ両側から情報や画像が確認できます(ただし反対側は画像が反転)。

  • (3)あらゆる角度から見える
    同様に光の散乱現象を利用しているため、片側ほぼ180度、両面合わせてほぼ360度と非常に広い角度からクリアに情報を見ることができます。

3. 提供できる価値

これら3つの特長を活かして、通常の透けないディスプレイでは難しかった新たな価値や顧客体験が実現できると考えています。

  • (1)空間との調和、存在感を消す
    一般的に使用されているディスプレイの多くは、未使用時は単なる大きな存在感を持った「黒い板」となります。つまり、「壁」になっていました。そして、向こうを見渡せない、設置空間に調和しづらいという指摘もありました。新規に開発した透明ディスプレイは、未使用時にはガラスの質感の佇まいのため、存在感が少なく、空間を広く見渡せる、インテリアに調和するといった価値が提供できます。

  • (2)対面コミュニケーションの円滑化
    対面しながら会話する際、透明ディスプレイを間に置くことで、相手の表情や身振りなども見ながら、話した言葉の文字起こしや翻訳結果を確認することができるので、コミュニケーションの質を向上させることができます。言語の壁、聞こえの問題といった障壁を下げ、対面でのコミュニケーションを円滑化できます。人と人とのコミュニケーションハードルを下げるデバイスという観点から、透明インターフェイスと名付けられました。

  • (3)共有感の提供
    通常のディスプレイを複数人で使用する場合、ディスプレイを片側から見るため、全員が一方向を見る状況となり、相手の表情や情報を見るために、視線を大きく移動する、ディスプレイを回転させるといった煩わしさがありました。透明ディスプレイの両面視と広い視野角といった特長を生かし、ディスプレイを中心に置きその周りを複数人で囲むという使い方が可能になります。相手の表情と情報を複数人で同時に見ることができるので、表示内容およびその場をより共有するという感覚に近づけることができます。さらに、地図でのルート案内を指で案内するなど情報の特定部分を示す場合、対面する人も同時に情報と画面を通して相手の指を視認できるので、内容を理解しやすくなります。このように一方向だったディスプレイの使い方から、ディスプレイが人と人をつなぐ役割を果たし共有という価値を提供できると考えています。

  • (4)情報と現実を同時に確認できる
    透明感の高さからディスプレイ越しに背景やモノをクリアに透かして見ることができるため、背景の景色やリアルなモノに情報を重ねて表示するといった新しい使い方が可能になります。例えば、ワインボトルを透かして見ながら、そこにぶどう品種、収穫年や地域、ワイナリーの様子を表示したり、庭をかざして見ながら落ち葉が舞う映像を出したりと、新しい体験を提供することができます。このような使い方は、拡張現実(Augmented Reality)やAIの更なる進化によってますます重要になると考えています。

*:拡散光源を用いた透過率。

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