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環境管理


環境負荷
事業活動は、エネルギーや資源等を投入し、製品を生産するとともに、CO2や廃棄物等を排出することで成り立っています。その概要を下図(対象範囲は国内全工場、グローバル製造子会社で2023年度分)に示します。環境改善活動は、投入量を減らし、排出量を削減することが基本であり、これらの項目を地区ごとに詳細に把握した上で、活動に取り組んでいます。

*1 太陽光発電量並びに非化石証書等による見なし再エネを含む
*2 重点管理化学物質とは、当社が重点的に管理する対象として定めた物質のこと
*3 国内の電⼒のCO2排出係数は0.423t-CO2/MWh(電気事業者別排出係数(特定排出者の温室効果ガス排出量算定用))、その他の換算係数は、エネルギーの使用の合理化等に関する法律、地球温暖化対策の推進に関する法律による。海外の電⼒のCO2排出係数は現地の排出係数を使用
*4 温室効果ガスの範囲は、温対法対象物質のうちのPFC(CF4、c-C4F8)、HFC(CHF3、C2HF5)、SF6、NF3、N2Oの7物質で排出係数はAR5を使用
*5 国内は当社が定める重点管理化学物質の排出量、海外はVOC排出量のみ
化学物質管理
当社の製品には、様々な化学物質が含まれていますが、その中でも有害性が懸念される物質は、環境汚染のリスクがあり、その未然防止として、世界各国では数多くの法規制が設けられています。当社はこれらの法規制遵守はもちろん、お客様の要求にも対応するため、設計/製造の各段階で適切に化学物質の管理を実施しています。
製品の含有化学物質管理
当社は、RoHS指令/ELV指令/REACH規則などの法規制及びお客様の要求をベースに、サプライヤー様にご理解とご協⼒をいただきながら、製品に含有する化学物質を管理しています。さらに製造過程で製品と接触する間接材料(装置、治工具、備品類)についても、製品への成分移行リスクを考慮した管理⽅法を設定し、不使用を確認しています。これらをデータベース化し、当社製品の設計段階で法規制やお客様の要求に適合していることを確認した後、お客様へ納入しています。

化学物質管理
当社では以下の基本原則に基づき化学物質管理をマネジメントしています。
法規制の遵守
当社は、当社で使用する化学物質及び当社製品に含有する化学物質に関わる法規制に対応するための仕組みを構築し、法規制を遵守するとともに、お客様の要求に従った化学物質の使用を監視しています。また、定期的に欧米やアジアの主要な環境負荷物質法規制動向をモニタリングし、先行対応しています。2025年4月に開催された残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)第12回締約国会議(COP12)で、新たに中鎖塩素化パラフィン(MCCP)及び長鎖ペルフルオロカルボン酸(LC-PFCAs)が附属書A(廃絶)に追加されました。当社では規制に先行し、自主的にこれら物質の新規採用品への含有を禁止しています。今後も継続的に規制動向をモニタリングし、必要に応じ適切な対応を推進していきます。
化学物質の測定と分析の活用
当社から排出される大気・排水中の化学物質を定期的に測定しています。また、禁止物質の意図しない混入を防止するため、サプライヤー様には特定の部品・材料について精密分析をお願いしています。内部管理においても、含有リスクの高い特定の部品・物質については、各製造拠点においてXRF測定装置等を用い、禁止物質含有の有無をモニタリ ングし、混入防止に努めています。
当社は、生物多様性を尊重して、地球環境の保全と持続的社会への貢献を目指し、化学物質の使用を監視して排出量の削減を推進しています。グリーン調達、環境配慮製品
当社では、法規制及びお客様の要求をサプライヤー様へ伝達し遵守をお願いするとともに、適切に運用していただくことを確実にするため、グリーン調達ガイドラインの制定とサプライヤー様の管理体制評価を実施しています。これらの取組みと当社での環境負荷軽減活動を推進することで、環境に配慮した製品の設計/生産に努めています。
グリーン調達の取組み
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1.グリーン調達ガイドラインの制定
製品に含有する化学物質に関する各国・地域の法規制とお客様の要求を反映させたグリーン調達ガイドラインを制定して、サプライヤー様に遵守をお願いしています。グリーン調達ガイドラインは、毎年見直しを行い、当社のウェブサイトで公開しています。当社は、引き続き法規制等遵守の上、製品に含有する化学物質管理を徹底していきます。
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2.サプライヤー様の製品含有化学物質管理体制評価
サプライヤー様には、アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)が定める製品含有化学物質管理ガイドラインに従った、製品に係る材料等の調達品の含有化学物質の管理体制確立をお願いしており、その管理体制については、サプライヤー様と当社をつなぐシステム(jDesc SurveySite)を用いて確認しています。当社の定める基準に達しないサプライヤー様については、管理体制の是正や改善をお願いしています。
環境配慮製品
当社では、当社製品はお客様が市場へ提供する製品のライフサイクルの一環であるとの認識のもと、お客様の環境ニーズにお応えできるよう、環境保全/持続可能な社会実現といった価値観を共有するサプライヤー様とともに製品設計・開発・生産に取り組んでいます。
お客様からの環境配慮要求に対する当社製品への反映、信頼できるサプライヤー様からの部材調達、当社内での生産性向上を含めた事業活動を通し、持続可能な社会実現に貢献していきます。また、工場ごとに地域性を考慮した生態系保全活動に取り組んでいます。

環境リスクの最小化
工場における法規制の遵守
当社は、環境マネジメントシステムの中で遵法管理を徹底しています。定期的に排水、排ガス、騒音、振動、臭気等を測定管理し、環境に関連した重大な違反が発生した場合には、関連拠点に横展開し再発防止に努めています。2024年度は、国内で2件の環境に関する違反等がありましたが、迅速かつ適切に対応するとともに、発生原因への対策と再発防止の取組みを進めました。今後も遵法管理の更なる徹底と維持に努めます。
製品における法規制の遵守
製造工程等で使用する化学物質は、法規制等に照らし合わせて分類した社内規則で制限しています。製品に含有する化学物質は、RoHS指令・REACH規則等、法規則及びグリーン調達により使用を管理しています。グローバル製造子会社を含めた事業活動全体で、環境汚染の防止、法的要求事項への対応、環境負荷低減を図っています。
気候変動への対応
当社では、当社を取り巻く気候変動に関連するあらゆる影響やステークホルダー及び関係者からのニーズ及び期待を理解・認識し、環境マネジメントシステムにおいても全社に展開しています。これらの活動とともに当社は気候変動対策を重要な取組みと位置付け、気候変動がもたらすリスクや将来的に予想される複数のシナリオ、当社事業への影響や戦略の確実性、その影響下での事業の継続性等を世界的イシニアティブのシナリオに沿って分析し、情報開示を図っています。